AlteryxでZチャートを作成してみよう

AlteryxでZチャートを作成してみよう

Clock Icon2019.10.03

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こんにちは、小澤です。

Alteryxで人生をより良いものにするためには2つの要素があります。

1つ目は、Alteryxの使い方や目的の結果を得るためのワークフローを作成するためのテクニックです。 Alteryxは非常に奥が深く、どのようなツールがどのよう場面で有効活用できるのか、効率的な処理を実現するためのワークフローはどのように実現するのか、など知れば知るほどより深く使い込んでいくことが可能となります。 他のツールを使っていた人にとっては異なる使い勝手に最初は戸惑うかもしれません。 しかし、慣れるにしたがってその強力なパワーを感じることができるでしょう。

2つ目はAlteryxを使って何を実現するか、です。 どんなに素晴らしいツールを導入しても、それを使ってやりたいことが明確でなければ実現は難しいでしょう。 Alteryxはデータ分析のためのツールです。Alteryxを使ってどのような分析を行うかを考える必要があります。 分析の手法を理解するのは簡単なことではありません。 そこで今回は、一般によく利用される分析手法の1つであるZチャートの作成をどのように行うかを見ていきます。

Zチャートとは

Zチャートは以下のようなグラフになります。

アルファベットの「Z」のような形となっているため、Zチャートと呼ばれています。 このグラフは3つの要素から成り立っています。

一番下の緑の折れ線グラフはその月の売り上げです。 1月から毎月、その月の分だけ出しています。

真ん中の斜めになってるオレンジの折れ線グラフは初めの月(1月)からの累積和を取った値です。

一番上の青いグラフは、その対象の月から過去12カ月分の合計値です。 1月であれば前年の2月からその年の1月まで、2月であれば前年の3月からその年の2月までの合計、といったようなっています。 グラフには表示されていない過去の部分まで集計の対象となっている点にご注意ください。

このグラフは何を意味してるのでしょうか? まず、12カ月分の合計についてですが、これは1年分で移動平均を取ったものになっています。 そのため、グラフがなだらかになり、季節性変動の影響を受けない全体でのトレンドを確認できます。 この上部分が上がり気味であれば上昇傾向、下がり気味であれば下降傾向のような動きを確認することが可能です。

斜めの線の部分はその月までの累積となるので、きれいな対角線であればコンスタントに売り上げが増えてるのがわかりますが、下側に膨らんでいるような型になっていれば急上昇している、上側に膨らんでいれば下降傾向が加速している、という状況が確認できます。

Alteryxで作図する

では、ZチャートをAlteryxで作成してみましょう。 今回は、以下のデータを利用します。

このデータは、2012年までのものとなるため、2012年の1~12月でZチャートを作成します。

作成するワークフローは以下のようになります。

Ordersシートを読み込んだのち、最初のFilterツールでは、対象の期間のみにデータを絞るため、2011年以降のみを取得しています(過去12カ月分の合計を計算するために2011年のデータが必要)。

続いて、必要なデータは日ごとの売り上げ情報のみのため、Selectツールでそれ以外の列を削除しています。 その後、Formulaツールで年と月の情報を取り出します。

年と月のデータが取得できたら、その2つを使って各月ごとの売り上げ合計をSummarizeツールで求めます。

これでグラフ化に必要な3つのデータうち1つ目である、各月の売り上げを求めることができました。

続いて、過去12カ月分の売り上げ合計を求めます。 これには、Multi-Row Formulaツールを使います。

自身を含む12カ月分なので、11行前までになっている点にご注意ください。 また、11行前まで存在しないデータ(2011/10までのもの)は適切に計算できていませんが、今回の描画対象外となるため、このままにしています。 2011年も含めて計算する場合は2010年のデータが必要になるというわけです。

これで、2つ目のデータである過去12カ月分の計算ができました。

続いて、累積和を計算するのですが、20111年分のデータはこの後の処理ではもう必要ないので、Filterツールで削除しておきます。

累積和はRunning Totalツールを使うことで簡単に計算できます。

これで必要なデータが出そろいました。 ここまでの結果は以下のようになっています。

最後にInteractive Chartツールを使ってグラフを作成します。 まずは、それぞれのグラフの種類、軸になる値を設定します。

これだけでも完成なのですが、グラフの見た目にいくつか手を加えます。

まずは縦横の比を調整します。 これは、Style > Chart > DisplayにあるSizeの設定で行います。

続いて、軸の幅の調整を行います。

Style > Axes > Display Rangeにて「X」を選択して、Minを0, Maxを13に設定します。 これによって、横軸の範囲が0~13となります(1~12月に少し余白を残した状態)。

同様にYを選択してMinを0にします。Maxはデフォルトのままで問題ありませんが、好みに合わせて調整してください。

これで以下のようなグラフが作成されます。

おわりに

今回は、AlteryxでZチャートを作成する方法を紹介しました。 なんか、分析してる感が出てきましたね!

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